アブラナ科の野菜の健康パワー
アブラナ科の野菜を食べることで期待できる健康パワー、その1つに、ガンを予防するパワーがあります。
アブラナ科の野菜には、スルフォラファン(SFN)、インドール-3-カルビノール(I3C)といった物質が含まれているのですが、これらの物質は、近年、多くの研究がされていて、ガン予防の鍵になると注目を集めているのです。
例えば、喫煙は、ガンになるリスクを高めるといわれていますが、これは、喫煙すると、DNAを傷つけてしまう可能性があるからです。DNAが傷ついてしまうと、ガン細胞が作られるリスクが高くなってしまうのです。
学術誌「Mutagenesis」に掲載された研究によれば、27人の喫煙常習者の人たちに、1日当たり、250gの蒸したブロッコリーを毎日食べてもらったところ、食べていない喫煙者の人たちに比べて、10日間で、血液中のDNAの変異を、41%防ぐことができたそうです[1]。
また、ガン細胞の成長を阻害する働きや、乳がん幹細胞が、腫瘍を作るのを抑制する働き、さらに、リンパ種を予防する働きなど、ガン予防になると示される研究結果が、いくつも存在しています。
[1] http://mutage.oxfordjournals.org/content/25/6/595.long
アブラナ科の野菜の食べ方について
アブラナ科の野菜の健康パワーの源の1つ、スルフォラファンは、前駆物質と、ミロシナーゼという酵素が混ざることで作られますが、ミロシナーゼは、熱に弱く、調理すると、不活性化してしまいます。
そこで、アブラナ科の野菜を調理するときは、レシピに合わせて野菜を切った後、火を通す前に、40分間待つようにします。
アブラナ科の野菜を切ると、その時点からスルフォラファンが作られ始めるので、40分間待つことで、火を通す前に、スルフォラファンが十分に作られるのです。
ミロシナーゼは、40分間で、立派に酵素の役目を果たすことができますし、前駆物質やスルフォラファンには、耐熱性があるので、調理しても健康パワーを発揮することができます。
残念ながら、市販の冷凍野菜は、冷凍される前に加熱処理が施されているため、40分間待っても、スルフォラファンは作られませんが、別の方法があるのです!
それは、食べる前に、大根おろしやマスタードパウダーなど、アブラナ科の別の野菜をかける方法です。
2013年、学術誌「Food Science」や「Food Chemistry」に掲載された研究によれば[2][3]、冷凍ブロッコリーや、加熱して、スルフォラファンが作られなくなったブロッコリーに、別のアブラナ科の野菜を加えたところ、スルフォラファンの生成が促進されたそうです。
冷凍のアブラナ科野菜を使って、温野菜を食べるときは、大根おろしやマスタードパウダーをかけて食べると、健康パワーをアップできるかもしれませんよ。
[2] http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1750-3841.12221/abstract
[3] http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814612016937
[参考] “How Not to Die: Discover the Foods Scientifically Proven to Prevent and Reverse Disease”