◆ 「食べる順番」で健康に

空腹の状態でご飯やパン、甘い物といった糖質が多く含まれる食品を摂取すると、血糖値が急激に上昇してしまいます。血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンには体内に取り込まれたブドウ糖を「エネルギー」にする働きがありますが、糖を過剰に摂取した場合、余ったブドウ糖は血中に溢れ、脂肪として蓄えられてしまいます。また、血液中に糖が溢れた状態、すなわち高血糖の状態が長く続くと全身の血管がダメージを受け、ボロボロになってしまう恐れがあります。これは糖尿病の患者さんが様々な合併症を引き起こす原因の一つでもあります。
このように、血糖値の急激な上昇は身体にとって悪影響を及ぼすのでできるだけ防ぎたいものです。そのために有効な方法が「食事の際に食べる順番を意識する」ことです。

便秘予防などに効果がある「食物繊維」は糖や脂質の吸収をおだやかにする働きがあり、血糖値や血中脂質の急な上昇を抑えてくれると言われています。そのため、いきなり糖質から食べ始める場合に比べ、体に脂肪が付きにくい(太りにくい)のです。食物繊維が豊富に含まれる食材として、野菜をイメージする方も多いと思いますが、野菜には食物繊維の他、カリウムなどのミネラルも含まれます。カリウムには、余分な塩分を排出する効果がありむくみ予防にも効果的です。
食事の際に、まず食物繊維の豊富な野菜やキノコ、海藻類および筋肉などのもとになる良質なたんぱく質を含む肉や魚、豆類を食べるように心がけると、炭水化物に比べ噛みごたえがあるので咀嚼によって満腹中枢が刺激され、満腹感を感じやすくなる効果も期待できます。このように、炭水化物(糖質を多く含む食品)を食事の最後に食べるように心がけると、普段より少なめの量でも満腹感が得やすくなります。この点も、ダイエットを意識する人にとっては嬉しい限りです。
フランス料理などのコースと同じような食べ方を意識するだけで、比較的簡単に実践できる「食べ順」ダイエット。興味のある方は、試してみてはいかがでしょう。