アサヒのディアナチュラや大塚製薬のネイチャーメイドなど、誰でも知っているサプリメントのラインナップから、マルチビタミンが発売されていますよ。
　マルチビタミンには、ビタミンだけ含む製品と、それ以外の栄養素もプラスした製品（「マルチビタミン＆ミネラル」など）があります。同一の会社の商品でも、各ビタミンの配合量まで違ってくるので注意が必要です。
　以下では各社が「マルチビタミン」と称している商品の基礎スペックをまとめました。

マルチビタミンには、その他の栄養素も配合されている製品もあります。各成分量をチェックして、賢く選びましょう。

割れるタイプやチュアブルタイプのサプリは、女性やお年寄りにも飲みやすい。

　さて、それではいよいよ成分比較です。メーカー指定の摂取目安で一日にとれる各成分の量をチャート化しました。
　目安として「栄養素等表示基準値」と「食事摂取基準」を示し、少ない方の数値をクリアしている項目はイエローに、多い方の数値もクリアした項目はオレンジにし、とりわけ含有量が多い項目を黒太字で強調してあります。

• *1 「栄養素等表示基準値」は2005年版「日本人の食事摂取基準」（厚生労働省）に準拠した数値を示し、「食事摂取基準」は2010年版「日本人の食事摂取基準」より「身体活動レベルII・男性」の目安量ないし推奨量を示した。
• *2 「ビタミンA」については、国際単位の力価を1IU=0.3μg(RE)でμg単位に換算し、β-カロテンを含有するものはレチノール当量を12μg=1μg(RE)で換算した上で、合計レチノール当量を示した。従って、表中の製品には「レチノールだけを含むもの」「β-カロテンだけを含むもの」「レチノールとβ-カロテンを両方含むもの」が混在している。
• *3 「ビタミンD」については、国際単位の力価を1IU=0.025μgでμg単位に換算した。
• *4 メチルヘスペリジンとして含有。

ネイチャーメイドやディアナチュラ「マルチビタミン」、DHC「マルチビタミン」は、各成分が過不足なく摂れる。

オリヒロのチュアブル製品は含有量が少ないので、メーカー目安より多めに食べるとよさそう。

ディアナチュラ「ストロング 39アミノ マルチビタミン＆ミネラル」は、B群が基準の10倍とれ、元気が出るアミノ酸も豊富に配合。

　最後に総合評価です。1日あたりのコストを調べ、それと各成分の含有量から、ケンコージャパン独自の計算式^*5で各製品を採点しました（アベレージが高いほどコストパフォーマンスが優秀。これはマルチビタミンとしての採点で、ミネラルその他の成分は考慮していないため、あくまでビタミンの目安としてお役立て下さい）。
　コストとアベレージそれぞれについて、数値が良いものを赤太字、悪いものを青太字で示しています。

• *5 AVG = [{Σ[i=1...12](V_i/U_i)} / D]*e としてポイント化（ただし、iはナイアシン・パントテン酸・ビオチン・ビタミンA・ビタミンB₁・ビタミンB₂・ビタミンB₆・ビタミンB₁₂・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・葉酸の12成分、V₁...V₁₂はその含有量(μg)（上限と下限が示されているものはそれらの平均値）、U₁...U₁₂はその基準値(μg)（栄養素等表示基準値と食事摂取基準で高い方の値）、Dは1日額(JPY)、e=10で標準化）。

総合評価は、コストパフォーマンスの高さでDHC「マルチビタミン」がトップに。

コストの点から、ウイダー「inゼリー マルチビタミン」は毎日摂るには不向き。即効補給用のビタミン飲料として考えるとよい。